相続税における「縄伸び(なわのび)」や「縄縮み(なわちぢみ)」は、土地の評価に関する実務的な概念で、土地の形状や地積(面積)が法定通りでない場合に発生します。
これらの用語は、実際の土地の面積や形状が登記簿面積と異なることを表します。
1. 縄伸びとは?
- 縄伸びは、実測した土地の面積が登記簿に記載されている面積よりも大きい場合を指します。
- 例:登記簿面積が100㎡だが、実測面積が110㎡だった場合、10㎡の「縄伸び」が発生します。
2. 縄縮みとは?
- 縄縮みは、実測した土地の面積が登記簿に記載されている面積よりも小さい場合を指します。
- 例:登記簿面積が100㎡だが、実測面積が90㎡だった場合、10㎡の「縄縮み」が発生します。
3. 相続税への影響
土地の評価額は、基本的に「面積 × 路線価(または倍率)」で計算されます。そのため、面積が変わると評価額や相続税額も変動します。
縄伸びのケース
- 面積が増えることで土地の評価額が上がり、相続税の負担が増える可能性があります。
縄縮みのケース
- 面積が減ることで土地の評価額が下がり、相続税の負担が軽減される可能性があります。
4. 実務上の対応
- 土地の実測
- 相続時に土地の実測調査を行い、正確な面積を把握することが重要です。
- 評価方法の調整
- 縄伸びや縄縮みがある場合、実測面積を基に土地の評価額を再計算します。
- 登記簿面積との差異の確認
- 地積測量図や現地調査を基に、登記簿面積との差異が相続税評価額にどう影響するかを確認します。
- 税務署への説明
- 実測面積を用いる場合は、その理由や測量結果を税務署に説明する必要があります。
5. 注意点
- 実測面積を採用するかどうかは、相続税の計算において重要です。場合によっては、登記簿面積を基準にすることも可能です。
- 縄伸び・縄縮みが発生する原因には、古い測量技術の誤差や土地の境界変更などが含まれます。
6. まとめ
- 縄伸び:実測面積が登記簿面積よりも大きい場合。
- 縄縮み:実測面積が登記簿面積よりも小さい場合。
- 相続税への影響があるため、実測調査を行い、正確な土地の評価を行うことが大切です。
不明点があれば、土地家屋調査士や税理士に相談すると安心です!